ウラジオストクの海にはあちこちらにナマコが見られました。
数はだいぶ少なくなったものの今でも生息し、ウラジオストクの1つの名産品として珍重されています。
このウラジオストクの名産品であるナマコを主に取り扱った博物館が市内にあります。
場所はウラジオストク駅とトカレーフスキー灯台の中間あたりで、海沿いの住宅街に位置します。
駐車場にもナマコが描かれています。
入場は200ルーブルで、入口で係員に支払って中へ進むと、
ロシアをはじめとした中韓日の国旗と剥製の熊が出迎えてくれます。
少し進むと左手にはソ連文化ゾーンがあり、ここはレーニンやブルジネフなどの肖像が掲げられた小部屋と
スラブ伝統人形などが暖炉に並べられた部屋からなっています。
この人形は博物館のご主人ドミトリーさんのお母さんが作ったもの。
そして正面にはメインのナマコの部屋が登場です。
ここでは干したナマコが展示され、ナマコの生態の他、ウラジオストクの成立ちなどについても知ることができます。
ただし全部ロシア語なので、翻訳アプリやガイドなどが必要になりますね。
712年編纂の古事記にも出てくる日本文化にも馴染み深いナマコなのですが、
あまり知らないその生態について知るのは結構面白いです。
「10~15年のナマコの一生涯で海底のゴミを砂と一緒に約1000トンも飲みこみ、清掃してくれる」
「敵に襲われると身体の3分の1を切り捨て敵に与え、数か月で元通りの体に再生させる」
「人体に有益なコラーゲン、アミノ酸など30種類以上の栄養分を含み海の朝鮮人参として昔から珍重されている」
「世界にいる1200種類以上のナマコのうち食用はわずか40種類程度」等々、ナマコのミニ知識が得られます。
ナマコゾーンを出ると、正面にはプーチン大統領のカーペットが、、、(w)。
ドミトリーさんも好きなこのカーペットは販売もしていて良く売れるようです。
さらに進むと映写室、団体ツアーではここで更にナマコに関する映像が見られるとか。
ただここでも日本語は残念ながらありません。
そしてこれ以降の部屋はナマコには関係なく、極東ロシアの観光資源や産品の紹介になります。
マイナス50度になるヤクーツクにおける150万年前のマンモスを中心に、
沿海州で免疫アップ、癌にも効果があるといわれる白樺寄生のキノコ「チャガ」などが展示されています。
次の部屋ではウラジオに初めてロシア船が到着した当時の漁村風景が描かれ、
横にはアルタイの熊、そして熊の胆嚢からとれる油について紹介されています。
そしてついに最後の部屋、ここは主に販売の部屋。身体によいといわれる熊の油セットをはじめとして、
世界2位の琥珀の産地カリーニングラード産の琥珀入り枕、
沿海州産の鹿の角、そしてレアな鹿の血の粉末など増強剤も扱っています。
日によるとお茶の試食サービスがあり、名物のチャガ茶をふるまってくれます。
お好みによってトラの爪、朝鮮人参などのシロップで甘みを加えられます。この珍シロップも購入可。
これで博物館が終わりと思いきや、
なんと横のスーパーもドミートリーさんの運営でセブンイレブンならぬセブントゥエルブ(W)。
ここでは通常の食品、お土産の他に、レアな熊の肉缶詰、イノシシ缶詰なども買えちゃいます。
博物館館内やスーパーで扱われる商品はどこかキワモノ、微妙さが漂っています。
ドミトリーさんの作る世界観は、珍品好きや、ちょっと不真面目な旅行者にはよいかもしれません。
立地から、コンテンツから、お土産まで本当に微妙ですからね~
ナマコ博物館:http://urajio.com/item/0595