ロシア国内でも1-2を争うハチミツ生産地である沿海州。
約120年前にウクライナから大量に持ち込んだ養蜂箱から、辛うじて生き残った6箱のミツバチ達が沿海州ハチミツの
起源となります。
この沿海州ハチミツ(科学名「極東蜂」)の中で、最大の生産地として名を誇るのが今回の「アヌチノ村(Анучно)」です。
この村では夏の収穫期が終わった毎年8月後半にハチミツ祭りが開催されています。
ウラジオから北東に200km(車で3-4時間)の地で行われるハチミツ祭りは
第5回の2021年は8月28日の土曜日14時からのスタート。
会場である中央広場に着くと、ミツバチコスチュームに身を包んだ女性や子供が迎えてくれます。
ハチの巣パネルの前で一緒に写真撮影したり、専用フォトスタンドに
顔を入れて記念の1枚を撮れたりもします。
ミツバチの恰好をしたおばちゃんによる子供向けワークショップがあったり、
普段はなかなか見る事のできない養蜂箱も覗けて子供たちにとっても貴重な機会です。
村のおじさんによるロシア伝統楽器バヤンの演奏もあったりして賑やかです。
No1ハチミツを決めるハチミツテイスティング&投票のコーナーもあり、
凌ぎをけずる養蜂家のハチミツを比較しながら味わえるのもお祭りならではです。
お祭りには欠かせない露店も、やはり今日はハチミツ。
約10店舗が出店しているのですが、実は何百といる養蜂家の中で
審査、選抜された養蜂家のみが出店できるということで上質なハチミツが
手に入れることが出来ます。しかもリーズナブル。もちろん味見もさせてくれます。
生産の8割を占め、一番人気の菩提樹ハチミツをはじめ、蕎麦の花ハチミツ、タンポポハチミツなど
が並びます。その他、ハチの巣から精製してつくる蝋燭であるミツロウや、養蜂グッズも販売さ
れたりしています。
ちょっと小腹が空いた時に嬉しい蕎麦の実と紅茶の炊き出し。美容と健康にもよいと日本でもミニブームの蕎麦の実が
アツアツで味わえちゃいます。
そして最後はハチミツの村ならではのレアなハチミツ記念碑の前で写真撮影。
村には宿もないので、車で往復7時間、滞在時間1~2時間という効率はよいとはいえない旅程と
なりますが、道中の大自然も癒されますし、ロシア国内でも比類のないお祭りなので
この時期にウラジオに来た際は、1考に値するアヌチノ村のハチミツ祭りです。
ハチミツ祭りでお待ちしておりま~す
~ 番外:アヌチノ村の老舗人気カフェ「スカーレット」~
アヌチノ村生まれで風と共に去りぬが大好きのナタリヤさんが1991年に開業した
「スカーレット」は村民のみならず、遠方からも人の絶えない人気カフェ。
ロシア料理を中心に、料理全般が味わえるが、この店を支える看板メニューが「シル二キ」というパンケーキ。
アヌチノ村周辺は上質な牛乳の産地でもあり、その新鮮牛乳から出来るコッテージチーズを
使ったのが同店のシルニキ。ヨーグルトをそのままパンケーキにしたような爽やかな風味。
ほどよい甘さのシルニキには、自家製のスメタナ(サワークリーム)を付けることもできるし、
アヌチノ村ならではのハチミツを付けても楽しむこともできる。