写真展を中心とした現代アートを展示している。日常の生活に密着した作品が多く、ロシア人の生活を垣間見ることもできる。建物は旧朝鮮銀行という日本人ゆかりの建物。入場は200ルーブル~。
ウラジオ発:観光スポット:現代アートスペース「アートエタッシュ」(ロシア語名:Артэтаж)

ウラジオ発:中華レストラン「キタイスキー イストリー」(ロシア語名:Китайский Истории)

ウラジオ発:グム裏のイタリア料理「GUSTO」

ウラジオ発:中央アジア、ロシア料理店「シャシリクオフ」(ロシア語:Шашлькоff)

ウラジオ発:ワインバー「ニビーニー ラーダスチ」(ロシア語名:Невинные Радости)

ウラジオ発:ロシア皇帝風レストラン「シェヴェレヴァ」(ロシア語名:Шевелева)

ウラジオ発:グルジアレストラン「スプラ」(ロシア語名:Супра)

ウラジオ発:ウラジオとアジアを結ぶ美術館館長 ナジェジュダ・スハレヴァさん

ウラジオストク経済大学には美術館があり、ロシアの芸術作品展示のみならず、日本領事館、鳥取島根県などの芸術イベントも開催される。今年も、書道、日本人形、生け花、写真展が開催された。この美術館でこのようなイベントを一人で切り盛りし、常に場を成功へ導いてくれるのが館長のナジェジュダ・スハレヴァさん(Надежда Сухарева)である。そんなナジェジュダさんにお話を聞いてみた。
—-ナジェジュダさんの生い立ちを教えていただけますか?
沿海州のデリンゴルスクという町で生まれました。大学の時にウラジオストクに出てきて、それ以来ウラジオストクに住んでいます。今の極東連邦大学でロシア語とロシア文学を専攻しました。卒業後、ソーシャルアートという学問の道にすすみました。ソーシャルアートという学問はカンタンに言うと「芸術が社会でどのような役割を果たすか」というのを研究する学問です。そしてその後美術館で勤務するようになりました。
—-現在の経済大学美術館に着任されたのは何年前ですか?
6年前になります。それまでも経済大学の現在の場所に博物館のようなものがあり、主に沿海州の歴史を展示していました。それが6年前に美術館に大幅変更することになり、ここへ私が赴任することとなりました。
—-この美術館で行うイベントは盛況なケースが多いですよね?秘訣みたいなものはあるのですか?
お陰様で好評いただいています。秘訣というようなものはありませんが、イベントを行う側、そこに来られる方の双方が気持ちよくすごせるのは心がけています。
—–日本関連のイベントではさりげなく日本風の音楽をバックで流したりされますが音楽にこだわりがあるのですか?
場の雰囲気を盛り上げるために、自分なりに場に合う音楽を選定しています。私自身は音楽のプロでもありませんし、特に音楽的こだわりをもっているわけでもありません。クラシックからJAZZ,現代的なものまで何でも聞きますよ。
—-この美術館では日本を始めとしたアジアの芸術イベントも頻繁に行われていますよね?
そうですね。私はこの美術館を通じて、ロシアの芸術とアジア諸国の芸術が交流する場であればよいと思っています。アジアの芸術をウラジオストクに紹介し、双方の発展を促すのが私の人生における役目だと思っています。もしかしたら今後、その役目が変わるかもしれませんが、少なくとも今はそう思っていますよ。
当地の領事館職員や日本の芸術関係者にもファンが多いナジェジュダさん。ウラジオストクの芸術にはアジア的躍動感の取り入れられている作品も多いが、そんな作品はナジェジュダさんのようなサポーターがいることで生まれてきたものもある気がした。ここでも芸術面でアジアとロシアの融合を支える人がいる。
ウラジオ発:ウラジオアートの可能性を探るプロジェクトリーダー アリサ・バグドナイチェさん

ウラジオストクの現代アート(亡くなった芸術家でない)、今を生きる芸術家を支援するセンターがZARYAである。この現代アート拠点のスタッフとプロジェクトを一手にまとめるのがアリサ・バグドナイチェさん(Алиса Багдонайте)である。アリサさんはモスクワ生まれでモスクワ在住のモスクワっ子。そんなアリサさんがなぜ9000キロも離れたウラジオストクの芸術発展プロジェクトに携わるようになったのかを伺ってみました。
—-現代アート拠点ZARYAは民間企業なのでしょうか?
ZARYAは民間組織です。アレクサンドル・メチェーチン(Александр Мечетин)というビジネスマンであり、美術品収集家である彼が慈善事業の1つとして運営しています。
—-アレクサンドルさんについて少し教えていただけますか?
彼はウラジオストク近郊のナホトカという街で生まれました。ビジネスをしにモスクワに行き、ずっとモスクワに住んでいます。
—-そんなアレクサンドルさんはなぜウラジオストクのしかも郊外にこのようなセンターを作ろうと思ったのでしょうか?
ビジネスマンとして成功した彼は、なにかしら故郷の発展に貢献したいと思いました。美術品収集家でもある彼の目にウラジオストクの芸術家、芸術的雰囲気が目に止まり、彼をとりこにしていきました。彼自身、このウラジオストクの芸術家にいろんな可能性を見出しました。そしてそのような可能性を持つ芸術家達を支援し芸術家個人の可能性を開いて行くと同時に、ウラジオストクの地域住民にも喜んでもらおうとZARYAの設立を考えたわけです。市内中心部には、いろいろな施設がありますが、ZARYAのある郊外はそのような施設がありません。つまり郊外の住民はなかなか、そのような芸術に触れる機会も少ないわけです。そこでZARYAは郊外に作ろうということになりました。
—-ZARYAにはフランスなどのヨーロッパ各国の展示品が並んだりすることも多いですね?
私はモスクワに住んでおり、モスクワではそのようなヨーロッパ各地の芸術家、芸術作品に触れる機会が多く、
芸術関係者同士のネットワークも発達しています。そのネットワークを通じて、ヨーローッパ各国の作品を極東のウラジオストクへつなげています。モスクワは大都市で、そのようなヨーロッパの作品を頻繁に目にし、目新しさがないですが、このウラジオストクでは毎回斬新さを持って迎えられます。ヨーロッパの芸術家も喜んで出展してくれます。
—-日中韓などアジアとZARYAの関係はいかがですか?
ZARYA設立の目的は芸術家の可能性を開くです。この「開く」は、アジアに向けて開くという意味合いが強いです。日本、中国、韓国といった国へウラジオストクの芸術家の作品、活動を発信し、それらの国に評価してもらい芸術家本人および、業界の発展につながればと思っています。また、ZARYAではアジア各国から芸術家受け入れ、芸術家向けの無料滞在アトリエも用意し、国際的な芸術家同士の交流も積極的におこなっております。
—-オーナーであるアレクサンドルさんとアリサさんはどのように知り合ったのですか?
私はモスクワのある美術館で仕事をしていました。その際にそこで知り合い、ZARYAのプロジェクトリーダーとして誘われました。
—-御仕事とても楽しそうにされていますね?
とても楽しいですよ。この仕事に携わっていると色んな意味での可能性を肌身で感じられます。とてもエキサイティングな仕事です。
—-飛行機で9時間のフライトは大変ではないですか?
最低1ヶ月に1度はウラジオストクに来るようにしており、こんな生活が2年半続いています。でも全然へっちゃらです。飛行機の移動はただ寝るだけですから、慣れますよ。
質の高い現代アート作品が全て無料で見られ、オシャレな読書、作業スペースも無料。楽しいイベントも頻繁に開催され、いわゆる国立系の美術館、博物館とは違う躍動感がある。そんなZARYAの理念を現場で実行していく女性リーダーのアリサさんにはいつも芸術家と更に若いスタッフ達が集まる。
ウラジオ発:芸術家を支援する道路標識会社代表 マリナ・グバレヴァさん

1998年創業の道路標識を専門につくる会社プリムズナック(Примзнак)の代表であるマリナ・トゥヴァレヴァさん(Марина Губареба)。単に道路標識を作るということに留まらず、道路標識にかかわるデザイナー、芸術家への支援も行っている。ストリートアートの第一人者パベルさんの道路標識に関する活動は全面的に同社が支援している。マリナ・グバレヴァさんには病気の子供に資金を作るためのオークション会場で知り合い、その場でいろんなお話を伺いました。
—-今日のオークションの売上のほとんどは病気の子供のためなのですが、会社として参加されたのですか?
はい、会社としてでもあり、個人としてでもあります。弊社は標識作りで得る利益の一部をを芸術家支援に回していくという方針をもっています。
—-芸術家を支援するというのはマリナさんが代表になってから始めたのですか?
もともとそういう風土はありましたが、私が代表になってからより芸術家支援の色合いが強くなったと思いますね。
—-なぜ芸術家支援をされようと思ったのですか?
私の心がそういう活動を求めていたんですね。特別な理由はありませんよ。芸術家を支援し、発展させたいとなぜか思ったんです。
—-ウラジオストクの住所標識をデザインしたパベルさんとはどういう関係ですか?
4年ほど前に、ウラジオストクの道路標識を新たに作るという市政府の事業があって、それを弊社が受注することになりました。その際にどのようなデザインにするか、コンクールを行いました。そこには何名かが応募してくれたのですが、その中の1人がパベルさんです。パベルさんのデザインは「日の出の太陽とウラジオストクの海」というもので、ウラジオストクらしい意味が込められ、かつシンプルかつキレイなデザインだったので採用しました。その後、芸術家としてのパベルさんの理念と活動に共鳴し、彼の活動を会社として支援していくことになりました。
—-パベルさんの芸術活動を全面的に支援しているのですか?
いいえ、全面的ではありません。基本的には道路標識にかかわる領域についてのみです。
—-マリナさん御自身も何か芸術に携われているのですか?
私自身は趣味で絵を描いたりする程度です。大学も中国語と経済学が専門で、全く芸術分野とは関係がないんですよ。
—-道路標識の業界も何社か競争があるのでしょうか?
もちろん何社か競合する企業がありますが、弊社は業界のリーディングカンパニーです。道路標識を作るだけでなく、街の芸術的発展にも貢献していくのがリーディングカンパニーの役目だとも思っています。