Daily Archives: 2022年12月29日

ウラジオストクからウランバートルまで陸路で行く!!

コロナとウクライナ紛争で、ロシアから日本への直行便がない最中、モンゴルがその中継地点と活用されています。多くの外国人にとってビザも不要、PCR検査も不要と使い勝手のよさで多くの外国人が集まるモンゴル。今回は、ウラジオストクからモンゴルへ陸路での行き方を紹介しようとおもいます。
 

 
 
2022年年末からは、ウラジオストクーウランバートル直行便というのも就航しましたが、片道日本円で5―6万円ということもあり、時間は何倍もかかりますが、3分の1の値段で行け、旅情の味わえるシベリア鉄道+国境越えバスにしてみました。
 
 
ロシアとモンゴルの国境を超えるには、ロシア中部ブリヤート共和国の首都ウラン・ウデまで行く必要があります。ウラジオストクからウラン・ウデまでは、シベリア鉄道で約3日間。シベリア鉄道は停車駅の量によって、かかる時間も変わってきますが、今回はウラジオストクを夜出発して、3日後の13時すぎに着く予定の電車です。いろんな等級の座席があるのですが、価格的にも雰囲気的にも好きな3等車の窓際下座席を選びました。というか安いのが嬉しいのですが。
 
 
21時28分にウラジオストク駅を出発。夜も遅いとあり、乗車時点ですでに暗めの社内です。多くのロシア人は、寝る用の楽な姿に着替えます。コンパートメントごとに区切られた2等車と異なり、仕切りのない開放的な3等車車内です。ということで、布団を座席の上に敷いて眠りにつきます。
 

 

 
 
これから3日間はひたすら、車内で過ごしますが、車窓から冬の大地や、夜空に広がる星空を見たりしていると結構すごせます。特に夜の車窓は、宮沢賢治の銀河鉄道の夜を思わせ、幻想的な感じでなかなかよいです。
 

 
 
3日間の食事ですが、基本的に3日分を買い込んで乗車します。車内でピロシキ、カップ麺、ビスケットなどを販売しているのですが、やはり飽きてしまうので、多くの人が食べ物を、簡易食器を持ち込んでいます。なお食堂車のある電車は、ここ数年でほぼ無くなりました。
 
 
途中いくつかの駅で、10分~30分の停車があり、タバコや新鮮な空気を吸いにプラットホームへ降りられます。
 

 

 
 
3日間鉄道に乗り、5時間遅れの19時過ぎにウラン・ウデ駅に到着です。えっ、5時間も遅れるの?って感じですが、シベリア鉄道では、よくあることで場合によっては10時間以上の遅延となります。余裕ある旅程をおすすめします。
 

 

 
 
ウラン・ウデ駅の高架橋を渡るとホステルが5-6軒あり、日本語を話すスタッフのいる「Wellhome hostel」です。日本のカプセルホテルタイプで比較的きれいな宿です。次の日は朝が早いので、チェックイン後、すぐ寝ます。
 

 
 
次の日は朝5時に起床、朝食を食べ、6時にチェックアウト。宿からほど近い場所でバスセンター行きのマイクロバスが5分置きに走っているので、それに乗り込みます。約15分でバスセンターに到着。
 

 
 
7時前にバスセンターに到着すると、すでにモンゴルウランバートル行きの国際バスが待機しており、乗客も乗り込んでいます。チケットはすぐ横のチケットカウンターで購入もできますが、朝はいつも混んでいるので、事前に購入しときます。モンゴル入国は、ビザもPCR検査も不要なので、パスポートを提示するだけで国際バスチケットが購入できます。不安がある場合は、旅行会社を通じてチケットを購入するのがよさそうです。
 

 
 
バスは、韓国製の大型観光バスで、身体の大きいロシア人でも問題ない、ゆったりリクライニングシートです。運転手とバス案内係はモンゴル人男性です。乗客の半分はいわゆるロシア人、半分はモンゴル人と兄弟関係にあたるブリヤート人です。ウラン・ウデはロシア連邦ブリヤート共和国の首都で、かつモンゴルとの国境沿いということもあり、ブリヤート人が多くなっています。
 

 
 
ウラン・ウデ7時30分発、ウランバートル19時着予定のバスは定刻通り、ウラン・ウデを出発。2時間ほど走ると、1つ目のトイレ休憩。ロシアのトイレは有料が基本で、ここも20ルーブルです。
 

 
 
バスは更に1時間ほど走り、国境沿いの街、キャフタに入ります。キャフタは国境ゾーンに該当し、立ち入る毎に国境警備隊によるパスポート、ビザのチェックがあります。ロシアやモンゴル国籍であると特に問題ないのですが、日本人を含めたその他国籍の人は、ここでパスポートを取り上げられ、丹念なチェックをされます。今回は10分ほどバスで待機させられました。(なお国境を超えず、この街に入る場合は事前許可が必要なのでご注意ください。)
 
 
チェックを無事済ませ、更に15分走ると国境に到着。まずはロシア側の税関で出国手続きをおこないます。コロナ以降、陸路でモンゴルへ出国するケースが増えているためか、意外とすんなりと出国できました。ハルビンから出稼ぎできた中国人はビザ切れでしたが、特にお咎めもなく通過していました。
 

 
 
ロシアの出国手続きを済ませると、再度バスに乗り込み、5分走り、モンゴル側税関に到着。モンゴル入国手続きをおこないます。ロシアの税関や国境警備は、無愛想で若干の緊張感がいつもありますが、モンゴル側は少しリラックスしていて、国柄が感じられます。
 

 
 
ロシア側の出国とモンゴル側の入国手続きを合わせて、1時間半程度です。なお荷物はバスからその度に上げ下ろししないといけないので、ちょっと面倒ではあります。
 
 
モンゴル入国を済ませ、少しバスを走らせると、国境沿いの街のレストランに到着。ここで1時間ほどのランチ休憩となります。料理は写真付き英語表記なので、指差しでもいけて困ることはありません。支払いはモンゴルの通貨トゥグルグとなりますが、レストランのすぐ対面に両替所がありますし、両替商のおばちゃんも寄ってきますので、トゥグルグ入手は問題ありません。
 

 

 

 
 
この時点で13時。予定では19時にウランバートルなので、あと6時間ほどバスに揺られることになります。
 
 
モンゴルに入ったので、車窓には草原に放たれた羊や馬の群れを現れはじめます。外気はマイナス20度にもかかわらず、モンゴルの家畜は元気に動いています。いつもながらですが、自然のなかで伸び伸び放牧される家畜は、どこか幸せそうですし、その分、ストレスもなくて肉も美味しそうです。
 

 
 
2-3時間走り、日が暮れてくれた頃に再びトイレ休憩。ここは大きめコンビニのような感じで、パンやちょっとしたお菓子、果物など買えます。トイレは、そこそこキレイで、しかも無料。
 

 

 
 
トイレ休憩をすませ、最終地点のウランバートル、ドラゴンバスターミナルへ向かいます。ここからは3時間程度のはずだったのですが、ウランバートル市内に入った途端、すごい渋滞が始まります。ウランバートル住人に聞くと、道路計画がしっかりなされなかったので、昼の11時頃から21時までは毎日渋滞のようです。ということで1時間半ほど遅れた20時半にバスターミナルに到着。まるまる13時間の長丁場ですが、ロシアとモンゴルの形式、雰囲気の違いが味わえます。モンゴル側の道がガタガタ気味でちょっとお尻が痛いですが、それもまたよしとします。
 

 
 
コロナとウクライナ紛争で選択肢となったロシアからの出国ルートでしたが、飛行機移動とは一風異なった体験ができますので、1つの旅行ルートとして試してみるのもありかもしれません。

 

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