ウラジオ発:子供向けの読書文化を支える校長兼店主 ガリーナ・イヴァノヴナさん

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ウラジオストクの子供向けの本文化を支えるお店「フォルムラ ルカデェリヤ」。教育玩具なども売るこのお店のオーナーは現役小学校校長先生でもあるガリーナ・イヴァノヴナさん(Галина Ивановна)。なぜ小学校の先生が絵本屋を開くようになったか、絵本教育の重要性などをガリーナさんに語っていただきました。
 
 

 
 
–いつお店をOPENされたのですか?
ちょうど5年前になります。
 
 
–校長先生であるガリーナさんがこのお店を開くに至った理由をお聞かせ頂けますか?
私には28歳と20歳の息子、16歳と10歳の娘の4人子供がいます。彼らが小さい頃にうちの家では、皆で集まって本を読み、教育玩具で遊ぶという習慣がありました。こういうことを始めたのは、小さい頃に子供たちに本を読み、教育効果のある玩具で遊ぶ楽しさを知ってもらい、子供たちが自由時間を各人ですごす際にも、そんな風に過ごしてもらえればと思ったからです。私は大学卒業から今までずっと小学校の先生をしていますが、我が家で行っていたこの習慣が今の子供たちにもとても重要なことだと感じ、他の家庭にも取り入れてもらいたいと思い子供向けの本と教育玩具のお店を始めることになりました。
 
 
                
 
 
                         お店には子供の成長にプラスになる教育玩具も置いている
 
 
–今の子供たちは本を読むのが少なくなっているのですか?
テレビやスマホの発達で、ここ10年は特に本を読むことができない子供が増えています。
 
 
–スマホやインターネットでの情報と本では何が違うのでしょうか?
スマホやインターネットでは、子供にとって有害なものも併せて玉石混交で情報が入ってきます。しかもそれが引っ切り無しにすごいスピードで来るわけです。子供たちには考える力も想像力、創造性も養われません。受け身なのでエネルギーを使うこともありません。その点、本を読むというのは、ゆっくりとそして主体的に読み、考え、想像するので子供たちにとってとてもプラスになります。
 
 
                        受け身のスマホやインターネットでは思考力、創造性が養いにくいという
 
 
–スマホやインターネットでマイナスの影響があるのでしょうか?
昔は、ロシア国内の情報、しかもある程度子供の成長に合わせた情報が子供たちを取り囲んでいたと思います。今はインターネットには子供の成長に好ましくないものも多いです。映画館にいっても海外のアクション映画なんかみていると、殺人や暴力シーンが多く、それを多くの子供たちが見るわけで子供たちの心理にもよくないです。そのような映画を見た後は、子供たちの心理に恐怖感が残るというのもよく耳にします。男性が女性になったり、女性が男性になったりという性転換などの情報も入ってしまいます。
 
 
–お店にはとても可愛らしい、キレイな挿絵の入った絵本が多いですが、こだわりがありますか?
はい、挿絵と印刷にはとてもこだわっています。素晴らしい絵や印刷があることで、子供たちはスムーズに読書の世界に入っていけます。
 
 

 
 
                            お店には有名なロシア芸術家による作品も多い
 
 
–お店の本は誰がどのように選んでいるのでしょうか?
うちのお店には、私の考えを共有してくれる素晴らしいお母さんスタッフ、マリナさんとユリヤさんがいます。私と彼女らが一緒になって入荷する本を選んでいます。2人は母親でもあるので、自分の家庭でも欲しいような本も良く入荷して、入荷したそばから、自分で買ってしまうこともたまにあるのですけどね。
 
 
                         ガリーナーさんに共鳴する2児の母マリーナさんと1児の母ユリヤさん
 
 
–お店に置かれる本に分野やあるのですか?
まったく制限はありません。歴史、理科、言語学、心理学など、どんなものでも子供たちのためになるものは置いています。国も世界中のものを集めています。世界の民族、偉人、英雄なんかも取り寄せています。日本の文化を扱ったものや豊臣秀吉伝なんかも置いてますよ。それに子供向けでなく、ここ数年は親向けの本も展開しています。
 
 
                                  日本文化や歴史のコーナーもある
 
 
–なぜ親向けの本も置かれるようになったのですか?
親が本を読まない家庭は、子供もなかなか本に関心をもちません。今は親自体も本に触れることが少なくなっているので、それでは当然子供の読書欲もわきにくいです。親は子供の一番身近な模範となるわけですから、その親にも触れてもらうように、親向けの本を取り扱うようになったのです。
 
 
–子供と一緒に読む、読み聞かせも必要でしょうか?
読み聞かせは非常に大事です。親と子の健全な関係も育成されます。
 
 
–やはり母親が読み聞かせるのが必要でしょうか?
そうとも限りらないと思います。ソ連時代は母親は皆、家事で忙しく、時間を取ることができませんでした。そのためソ連時代の多くの家庭では父親が子供に読み聞かせをおこなっていました。私の家でも父が読み聞かせを行ってくれていました。
 
 
                             ソ連時代の読み聞かせは父親が多かったという
 
 
–ロシアでは子供の数は増えているのでしょうか?
出生率は1,5くらいかと思います。昔は私の家のように大家族が多かったのですが、今はどんどん減っています。例えばうちのスタッフでいっても、私は4人、マリナさんは2人、若いユリヤさんは1人といった感じです。
 
 
–ロシアで出生率が低下している原因はどのようなことにあるのでしょうか?
経済的な負担、子供への責任、そして親自身が自分のライフスタイルを楽しみたいという傾向が増えているからだと思います。仕事でのキャリアを積みたい、自分用の物を購入したいそんな人が年々増えています。今は親が子供を家に置いて、自分で映画館に行ってしまったりする、そんなケースも少なくないです。そういう価値観の変化が出生率低下の要因ではないでしょうか。結婚を急がない若者も増えています。
 
 
–お店には手芸用品も置かれていますね?
手芸を含めた手作業は、ロシア人や我々の先祖がいたウクライナ人が伝統的にもっている文化です。ロシアやウクライナは本質的に手作業が好きな民族です。代々、お祖母ちゃんから孫へと手芸が伝えられていたのですが、ソ連時代にその文化が途絶えてしまいました。20年位前から、またその手芸文化が復活し、今はだいぶ行う人が増えました。うちのお店では手芸教室も行っています。
 
 
                               お店では手芸用品も販売している   
 
 
–ガリーナさんの祖先はウクライナから来られたのですか?
ソ連初期の1940年代に祖父母がウクライナからウラジオストクへ来ました。うちのスタッフの皆がウクライナやベラルーシ、いずれにしてもあちら側の出身です。私達のみならず、ウラジオストクの多くの人は、自分達の根っこはウクライナにあるという意識をもっていますよ。ウラジオストクは外から来た人で構成されている街で、その外から来ている人たちが自分たちの故郷の文化や技を披露しあいます。
 
 
                         ウラジオストクではウクライナに故郷意識をもつ人が多いという
 
 
–外から来る人が多いと色んな国の文化に触れられますね?
日常的にいろんな国や民族の文化に増えることができます。いろんな国のイベント事もウラジオストクでは頻繁に開催されて、今週は日本ウィーク、来週は中国ウィーク、再来週はインドウィークと、ここにいるだけで海外旅行しているような気分も味わえますよ。
 
 
–最近は旅行者のお客さんも増えていますか?
日本人旅行者が増えています。よく売れるのが「大きなカブ」なのですが、お店でこの本を見つけると大概喜ばれますね。時には、「大きなカブは日本の作品だ」なんておっしゃる方もいますけどね。いずれにしても「大きなカブ」という1つの本がロシアと日本を結び付けてくれるのでとても素晴らしいと感じています。
 
 
                         日本の小学校でも学習する「大きなカブ」が日本とロシアを結ぶ
 
 
–地元のお客さんや売り上げは増えていますか?
残念ながら、年々減っているのです。このお店の運営も経済的に楽でなく、今は一部スペースを貸しているのです。時代の趨勢ですかね。
 
 
経験や知識豊富な学校の先生として、4人の子供の母として、子供たちの成長にプラスをもたらすと信じ、お店を通じてそれを実現していくガリーナさん。そんなガリーナさんの思いに共鳴する2人の素晴らしいお母さんスタッフと日々、本選びを行う。そんなガリーナさんやスタッフの教育者であり母親としての愛情がこもった「フォルムラ ルカデェリヤ」は、スマホ全盛になればなるほどその価値を増していくはず。今は減っているお客さんも、その価値に気づいて盛り返してくれればいいと思いますし願っています。

お店の紹介:http://urajio.com/item/1290



子供向けの読書文化を支える校長兼店主 ガリーナ・イヴァノヴナさん

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