ウラジオ発:手作り鉢教室 店主 キリル・アヒポフさん

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植物愛好家と芸術好きが多いウラジオストクで、この2つを組合わせた手作り体験クラスを行うお店「Beton master」。石膏で自分ならではのの型、色の鉢を作り、そこに好きな観葉植物を入れていく。鉢まで作る体験クラスはありそうでないユニークなもの。そのユニークなお店を運営するのがキリル・アヒポフさん(Кирил Ахипов)。今回はキリルさんにお店を開いた経緯についてお伺いしました。
 
 

お店はいつOPENされたのですか?
2018年11月になります。1年半をちょっと超えたくらいです。
 
 
お店を開いた経緯をお聞かせいただけますか?
学校を卒業して3年ほどウラジオストクの銀行で仕事をしていました。配属はクレジットカード促進部門で、クレジットカードを顧客に販売する仕事です。クレジットカードを営業するのですが、そういう業務をしているときの自分ではどうも生きた心地がしなくて、なんか自分らしいことをしたいとは漠然と感じていました。私は結婚する前の妻と同じ銀行で働いていました。2017年の彼女の誕生日に何かプレゼントしたいと思っているような時に、たまたまインターネットでコンクリートで作った鉢を見たのです。それを一目見て、猛烈に惹かれました。なんとか自分で作りたいと思ったのですが、インターネットにも本屋にも作り方がありませんでした。今思うと稚拙なものですが、自分でなんとか作ってみました。そして出来上がってみると、植物が入れたくなりました。植物についてはほとんど知識もなかったので、露店で植物を売るおばさん達にいろいろ教えてもらい植物を買いました。そして彼女にプレゼントしたのです。彼女はとても感動してくれ、しばらく自分の机にそれを置いていたのです。しばらくすると、その鉢を見た彼女の上司が気に入って、仕事として私に注文してくれました。彼女の上司が私の初めのお客さんです。それから鉢づくりの方面で仕事がしたいと心から思うようになり、紆余曲折しながら2018年11月に今のお店をOPENさせました。
 
 
                      初めて作って彼女(現奥さん)にプレゼントしたのはこんなシンプルな感じだった
 
 
                               キリルさんの鉢は自宅の工房で作られる
 
 
すぐにはうまくいかず紆余曲折があったのですね?
はい。OPENするまでに銀行を2度辞めて、手作り鉢のセールスを試みました。広告を売ったり、いろんな人に会ったりして仕事が展開するように頑張ってみましたが、2度ともうまくいきませんでした。
 
 
このお店は体験教室が主なのでしょうか?
当初は、私の手作り鉢と植物を販売、たまに体験教室を行うという風でしたので、手作り鉢がメインでした。2019年末に動画で作り方が習えるというオンラインコースを発売し、その頃から、私の手作り鉢を購入するのもいいが、それよりも自分の手で作りたいという要望が増えました。2020年前半からはコロナ禍で家にいることもあってか、自分で作る用のキットを購入される人が急増しました。とても大きな変化でビックリしました。
 
 
                              自宅で手作り需要が増えキットが良く売れる
 
 
オンラインコースはどういう方が購入されるのでしょうか?
ロシア全土はもちろん、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンなどロシア語圏の人が購入してくれます。
 
 

 
 
                               受講者の作品を見るのが楽しみという
 
 
オンラインコースを見てキリルさんのようにお店を開く方もいるのでないですか?
そういう方もいるようです。ただ多くの方は趣味として勉強されます。勉強した後は実際に皆さん作られて、その完成した作品をよく写真で送ってくれるんですよ。感謝の言葉も沢山いただけて本当嬉しいですよ。
 
 
お店での体験教室について教えていただけますか?
2部構成になっていて第1部では石膏から鉢を2-3個作ります。自分の好きな型を選んでもらって、色を塗ったり、ちょっとした模様を入れてもらったりします。私が作る鉢の多くはコンクリートで、乾燥に丸1日かかるのですが、体験教室は石膏なので20分程度で乾きます。第2部では、完成した鉢に、店頭に並ぶ植物を入れ、土や砂利入れをしてもらいます。色のついた砂なんかも用意しているので、子供や女性は喜ばれます。大体全部終わるのに2時間くらいです。
 
 

 
 

 
 
                             参加者は完成後は一様に自分の作品に満足する
 
 
お店で並ぶ植物はどこから来ているのですか?
ロシアに入る観葉植物の90%はオランダ産です。オランダでは栽培が盛んでハウス技術もしっかりしており、そこからロシアに入ってきています。うちは小さい店なので、中間の卸業者を通じてオランダ産のものを仕入れています。また一部はウラジオストクの愛好家から仕入れています。ウラジオストクで大量に植物を育てられる愛好家が何人かいらっしゃるのですが、その方達からも購入しています。珍しい植物は大体彼らからのものです。
 
 
                            このような珍しいものは地元の愛好家から提供してもらう
 
 
キリルさんは小さい頃から手で何かを作るのが好きだったのですか?
はい、小さい頃に、お爺ちゃんが色々教えてくれて、なんでも自分で作るのが好きではありました。
 
 
お店ではレコードが流れていますがキリルさんの趣味ですか?
はい、これもお爺ちゃんの影響です。このレコードプレーヤーは40年前にお爺ちゃんがこっそりと手に入れたソ連製のレコードプレーヤーです。お爺ちゃんはロシアの国民的ヒーローのビソッツキーにコネがあり、そのビソッツキーを通じてなんとか手に入れたんです。当時は物の売買は禁止ですから、とても貴重なことでした。40年たった今でも活躍してくれていて店頭に置いているんです。ちなみに私はレコード自体のコレクターでもあるのでお店に置いているものと合わせて400枚くらいは持っていますよ。
 
 
                               お爺ちゃん譲りの40年モノのプレーヤー
 
 

                           ソ連時代の伝説の大スター ヴィソッツキーを通じて購入した
 
 

 
 
最後にキリルさんのウラジオストクで好きな場所を教えてください。
昔はいい所が結構あったのですが、今は荒れ果ててしまったところも残念ながら多いです。そんな中で敢えて好きといえば、最近生まれた子供と妻と一緒に行く海辺とダーチャですかね。ダーチャには私の両親も一緒にいってバーベキューしたりと、とても楽しい時間が過ごせます。

銀行時代に好きな人への手作りプレゼントから自分の道を見つけたキリルさん。創造性+手作り+植物というアイデアは今の時代に合っていて、国を超えてファンが増えています。小さなお店からではありますが、温かいキリルさんの気持ちがこもった事業はきっと発展するだろうと感じさせてくれました。

お店の紹介:http://urajio.com/item/1398



手作り鉢教室 店主 キリル・アヒポフさん

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