ウラジオ発:ロシア産ハーブティー店店主 ダリヤ・アギシェヴァさん

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ウラジオジオストクでは珍しく、ロシア産のハーブ(お茶用草)を自家調合するしてお茶にするお店「チャイ イ トラヴィ(Чай и Травы)」。コーヒー全盛の中にあって、ロシア産ハーブティーのお店を始めた理由やお茶のお話を店主のダリヤ・アギシェヴァさん(Дарья Агишева)にお伺いしました。
 
 

–ダリヤさんのお生まれはウラジオストクでしょうか??
ウラジオストクではありませんが、沿海州です。沿海州のアルセーニエフという街で生まれました。アルセーニエフは映画「デルス・ウザラ」の主人公アルセーニエフから名を取った街です。
 
 
–いつからお茶の事業をされているのですか?
約2年前にロシア産ハーブティーを中心とした卸事業を開始しました。市内中心部では皆が知る「ウフ・ティブリン」などは顧客になります。その他郊外を中心に飲食店で利用してもらっています。小売り事業を始めお店を開いたのが1年前です。小売りはお店とインターネットショップで行っています。
 
 
                               ミニカフェにもなっている小売店舗
 
 
–なぜロシア産のハーブティー事業を始められようと思われたのですか?
何か自分の事業をしたいなと漠然と思いつつ、前職の会社で働いていました。今とは全然違う仕事でビジネストレーニングを提供する会社です。私の家庭は父母、祖父母含めてずっと沿海州の森で草をとってはハーブティーにしていたいました。特に販売していたりしたわけでなく主に自分達で飲んで楽しんでいたのです。私も小さい時からそんな環境だったので、やたらと野草で作るお茶には詳しく、また好きになりました。そんな自分の特技になんとなく気付いて事業を始めたのです。長年描いていた夢とか、そういうものではないです。
 
 
–ハーブティーやお茶に対する経験や知識はご家庭で育まれたのですか?
そうですね、大体は家庭環境です。でもそういう自分の特技に気づいたのも20歳頃の話で、それまでは皆、私が知っていることくらい知っているんだろうなぁと思っていました。
 
 
–事業はお一人で全てされているのですか?
もちろん1人では全て回りませんので、計4人で回しています。1人は化学方面に強いスタッフ、もう2人は調合のできるスタッフです。
 
 
–ダリヤさんの役割はどのような部分になるのでしょうか?
私の役割は、全般的にみることですが、一番はお茶の味や香りについての判断ですね。
 
 
–他のスタッフさんは味や香りは見られないのですか?
他のスタッフは、どの茶とどの茶を混ぜると成分的に良い、相性がよいというのは判断することができますが、味と香りの良さは判断が難しいようです。お茶がお客さんに好まれ、購入されるのは、味と香りによるところが大きく、私の注意はそこに向けられています。
 
 
                           調合については化学知識にも強いスタッフさんが担当する
 
 
–お店に並ぶお茶は全てロシア産ですか?
80%はロシア産で、沿海州産もあります。残りの20%は中国中央部やアフリカから仕入れています。
 
 
                               ロシア原産を中心に十数種類が並ぶ
 
 
–現地に加工場を見に行かれたりされるのですか?
海外は行けませんが、現地に行くこともあります。ただ信用できるお茶製造所が15か所ほどあるので、たいていはそこからサンプルを送ってもらい判断しています。
 
 
–店頭に並ぶ商品はどのように選ばれるのですか?
1つ目は質的な面の確認、2つ目は味と香り、そして3つ目は経験です。1つ目の質的な面はロステスト(Ростест)という試験機関の行うテストに合格したものを選びます。2つ目の味と香りは私が判断します。その全部のプロセスには3つ目の経験が加わり、最終的にいい商品にしていきます。
 
 
–お店のお茶管理で難しい点はありますか?
お茶は湿度が敵です。うちのお店の裏は倉庫ですが、そこには乾燥機がつけられ、適度な温度に保たれています。太陽熱の直接あたるところはだめで、日の当たらない温かめのところ、そして乾燥がお茶には適した環境です。ウラジオストクは湿度が高いので、やはり乾燥に気を使います。
 
 
–お茶のブレンドはどこで行われているのですか?
ブレンドは、ウラジオストクにある自家製造所で行っています。そこも乾燥した環境での作業となります。湿度が入っただけで、お茶の味、色が台無しになってしまうのです。
 
 
                               自家作業所でブレンドし品質管理をする
 
 
–ロシアの伝統茶イヴァン茶について教えていただけますか?
紫色が鮮やかなヤナギランという植物の花と茎を乾燥させて作るお茶です。ヤナギランは寒いところに咲く植物なので、沿海州では北部でとれます。そのままのヤナギランを乾燥させたものをお茶にする場合もありますが、他の花やベリーとブレンドしたイヴァン茶もよく飲まれます。
 
 
                    ロシアではキリスト教の伝わる前から飲まれてきたというヤナギランのイヴァン茶
 
 
                      純粋にヤナギランだけのものでなくベリーなどを加えたイヴァン茶もある
 
 
–お店には外国人も来られますか?
はい、旅行で中国、韓国、日本から来ていただけます。
 
 
–旅行者とロシア人でお茶の好みに違いはありますか?
旅行者はお茶の香りを嗅がれて、気に入った香りのものを買われるケースが多いです。ロシア人のお客さんは、自分であらかじめ決めていた商品、或いは、ラベルにかかれた味や効能をみて買われるケースが多いです。
 
 
–お茶によって効能があるのですか?
医学的なことではないですが、リラックス効果のあるものであったり、逆に少し元気が出て、気分の高揚するものなどはありますね。
 
 
                           リラックスしたい時用とロシア語で書かれている
 
 
–季節によって売れるお茶に違いはありますか?
あまり詳しく見ている訳ではないですが、夏と冬では人々の嗜好に違いがでますね。夏はあっさり目のお茶が好まれますが、冬はスパイスの効いたもの、ちょっと濃い感じのものが好まれると思います。私自身を考えてみても、そんな感じになっています。
 
 

 
 
–コーヒーと比べた場合のハーブティーの良さはなんでしょうか?
一番わかりやすい部分ですと、歯が黄ばまないということです。紅茶も多少黄ばみますがコーヒーはやはり歯に色を付けてしまいます。ただ私もたまにコーヒーも飲みますよ。
 
 
–ハーブティーに砂糖を入れて飲んでもいいのですか?
砂糖を入れて飲んでもいいとは思いますが、ハーブティーにはあまり砂糖が合わない気がします。砂糖が欲しい場合は、紅茶がやはり合うと個人的には思います。
 
 
–ダリヤさんはどんなお茶がお好みですか?
私は毎日、その日の気分や体調によって異なるお茶を飲むので、どれ1つというのはありません。いろんなお茶をストックしておけば、本当に毎日いろんな気分が味わえます。
 
 
                           気分や季節に応じて色々楽しめるのがハーブティーの世界という
 
 
–最後に今後の展開について教えていただけますか?
ウラジオストクではコーヒーに押され気味ですが、なんとかお茶、ロシア産ハーブティーの良さを皆に伝えていければと思います。アメリカなどでは健康志向も相まって、私達のようなロシア産ハーブティーがじわじわと支持を集めています。ウラジオストクでも同様に関心を持つ人が増えればいいかなと感じます。それと合わせて、海外からの日中韓の旅行者にも私の持っている知識やお茶の魅力をきちんと伝えられればいいなぁと思います。お店に旅行者が来られても、言語的な障壁もあって、なかなか魅力を伝えることができていません。今後は旅行者向けに伝えるということにも力を割いていきたいと思っています。

ウラジオストクのお土産屋やスーパーでハーブティーは沢山並ぶが、その細かい来歴や効能まで伝えられる店員さんはほぼ皆無。そんな中で、お茶の周辺話まで語ってくれるダリヤさんは貴重な存在。ダリヤさんらによってロシア、沿海州産のハーブティー文化が見直され保存されていけば素晴らしいと思います。

お店の紹介:http://urajio.com/item/1396



ロシア産ハーブティー店店主 ダリヤ・アギシェヴァさん

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