ウラジオストク市内で最大規模のハンドメイドショップ「クチャマラ」の店主であるコンスタンチン・ヴラディミロービチ(Константин Владимирович)さん。常に仲間に囲まれ陽気かと思えば、沢山の本を読んで勉強したり、自らアート作品を作ったりとユニークな男性です。お店の運営にも独自の経営理念をもっております。そのコンスタンチンさんにお店の成り立ちや御自身の事についてお話を伺いました。
–コンスタンチンさんがこのお店を始めるキッカケを教えていただけますか?
小さい頃からこういう手作り作品が沢山集まったお店をやりたいなぁと思っていました。ちょうど11年前、僕が13歳の時に思いつきました。ウラジオストクには多くのハンドメイド職人がいるので、その本物のハンドメイドだけを集めたら面白いお店で、お客さんも楽しいし、ハンドメイド職人も喜ぶだろうと思ったんです。
–今年の5月8日で1周年ですが運営は順調ですか?
お陰様で何とか1年運営することができました。口コミ(Сарафанное радио)の効果でお客さんが増えてきました。僕はお客さんに無理に買ってもらいたいと思わないし、お客さんが良い店だと思ってくれて、それを友達などに伝えてくれるのが一番いいと思っているのです。僕の考えでいえば、広告費用というのは無理にお客さんに買ってもらうイメージがあるから、僕の考えとはちょっと違う感じがしますね。
–このお店は商品数とハンドメイド職人の人数が他と比べて圧倒的と多いと思いますが、今職人さんは何人いらっしゃるのですか?
203人です。面白い、創造的な、そして本物のハンドメイド商品を提供してくれる職人とのみ契約しています。
その中には2人の日本人もいますよ。日本人の作品はロシア人にとってはすごく新鮮だから売れ行きも上々ですよ。
–コンスタンチンさん1人でお店を運営されているのですか?
基本は僕がお店にいて接客しています。お店の内装、棚なども基本は自分で作りますが、両親もよく手伝ってくれます。彼らは僕の活動を全面協力してくれるので、やはり両親の力も大きいかな。内装をやるときも父が手伝ってくれるし、母は母でお店にお弁当をもってきてくれたり、色々気を使ってくれますよ。このサンドイッチだってさっき母がわざわざ持ってきてくれたんですよ。
コンスタンチンさんの御両親
–コンスタンチンはよく文化、歴史などについても詳しいですが学生時代は何を勉強されたのですか?
学生時代は自然環境学(エコロギー)を勉強しました。今も自然、ロシアの森(タイガ)等に興味あります。
–お店の商品にはロシアの文化を感じさせるものも多いですが、その文化的背景も大体ご存知ですよね?
全てじゃないけど、1つ1つの商品について大体の製作、文化的背景は知っていますよ。お客さんが来店された際は、そういう背景もなるべく魅力的に詳細に努めようとしています。
–ロシア文化コーナーと日本文化コーナーというのもあって隣り合わせていて面白いですね?
日本とロシアは隣国ですよね、それでお互い素晴らしい文化作品を持っていて、しかもかなり違う文化です。ロシアのお客さんには日本の文化を、そして日本のお客さんにはロシアの文化を味わって頂きたいと思ってこのコーナーを作りました。こんなに近い隣国の文化がこんなにも違うというのを見ると本当に面白いですよ。
左はロシア文化コーナー、右は日本文化コーナー
–コンスタンチンさんは自分でも色々製作されたり、プロのカメラマンとして活動されたりしてますよね?
もともと自分で作ることが僕自身も好きなので時間があれば作っていますよ。お店に居る時も木材を持ち込んだりしてアクセサリーを作ったりね。僕が作る木材のアクセサリーは、お店でも売っているのだけど、とても人気があるんですよ。やはり魂込めて丁寧に作っているからお客さんにも伝わるのかもしれませんね。それとカメラについても、僕は関心があるんですよ。知人にプロカメラマンが3人いて、彼らと意見交換したりしながら自分の腕を磨きました。一応、カメラマンとして仕事するときもあるからプロといえばプロかな。
コンスタンチンさんの写真作品
–今後、お店をどのように発展させていきたいですか?
それは勿論、お店の名前Куча Мала(沢山)のように多くのハンドメイド作品でお店を溢れさせたいですよ。
何倍にも何十倍にもしたいですね。
–コンスタンチンさんが生きる上で大事にしていることを教えていただけますか?
「何事にも心配せず、人生に不安は生じない」というのをモットーにしています。まさしくこの写真のように
お金がなかろうが、経済が悪かろうが、そんなの関係ない、心配することは何もなくて、ただただ海辺沿いでうったりする。僕自身は海辺でゆったりするようなタイプではないですけど、心の持ちようとしてはそんな感じです。この写真は僕の人生哲学のようなもので、自分の部屋にも飾っているんですよ。何がおこっても動じないってね。
コンスタンチンさんの好きな「不安なし」の写真
常に元気で人助けも大好きなコンスタンチンさん。助けたり、問題解決するのに粋を感じている彼のもとには多くの友人と職人がいつも集まります。英語でもコミュニケーションでき、外国人も大好きな彼なので、ウラジオストクに来たらぜひお店の空気とともに彼の元気さにも触れたいですね。
ウラジオ交流事業のお問合せ お気軽に♪