ウラジオ発:温もりあるレストラン文化の立役者 オリガ・グールスカヤさん

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ウラジオストクでNo1人気の隠れ家的カフェ「クバルチラ30」。家族のような温かい雰囲気、サービスがロシア人のみならず日本人にもファンがいる。日替わりのメニューで毎日新鮮な食材を提供するというのもユニークである。その女性オーナーであるオリガ・グールスカヤさん(Ольга Гурская)に、お話を伺いました。
 

 
–オリガさんはウラジオストクの生まれですか?
いいえ、生まれはウクライナです。7歳の時に祖母や両親と一緒にウラジオストクに来ました。それからはずっとウラジオストクです。
–ウクライナ生まれということはオリガさんの生活で特別な意味を持ちますか?
生まれた故郷はウクライナで、ウクライナの生活における小さい時の思い出はありますが、私の人生の
多くはウラジオストクです。ウラジオストクで学生生活を過ごし、初恋もウラジオストクです。ウクライナでは
ずっと病気がちでしたが、ウラジオストクに来てからはずっと健康でほとんど病気をしませんしね。ウラジオストクが私の街といえるでしょうね。
 
–オリガさんのレストランはユニークかつファンも多いですが、このようなレストランを始めるまでの経緯を教えていただけますか?
私は学校を卒業後は15年ほどプロの歌手として活動していました。歌手としての活動を終えたのち、ウラジオストクでファッション、ライフスタイル雑誌のライターとして働くことになりました。その際に色んなカフェ、レストランの取材、経営者などとも知り合いになりました。ちょうど2005年のあたりはウラジオストクにも洗練されたカフェが出て来て、人々がそういうカフェで時間を過ごすというライフスタイルも出来てきたのです。そのような環境の中で私もカフェの運営に興味を持つようになりました。そして2009年に何人かの人と一緒に人生初のカフェを開くことになりました。このカフェは70席の比較的大きなカフェで、ビジネスセンターの2階にありました。このカフェの運営の後に2つ目のカフェを運営しました。2013年今のお店につながる「クバルチラ30(Квартира30)」をフォンタンナヤ通りで開きました。このクバルチラ30で初めて私自身のお店をもつことになりました。そして昨年今のパロガヤ通りに移ってきました。
 

 
–カフェ「クバルチラ30」はオリガさんの哲学のようなものを感じますが、それを教えてくれますか?
まず1つには「人間的つながり(交流)」を重視していることです。「お店とお客さん交流」「コックとお客さん交流」を大事にしています。クバルチラ30では美味しい食事や優雅な時間を提供するのはもちろんですが、それと同様にお客さんにはお店従業員とのつながりも感じてもらえるようなサービスを提供しています。そしてさらに特徴的なのはコックとお客さんのつながりを生み出す点かと思います。一般的なカフェは厨房が閉ざされており、コックがお客さんの美味しいものへの反応、顔、声を見ることがありません。クバルチラ30は開店以来オープンキッチンですが、これでコックもお客さんの喜んだ顔や感謝の声を聞くことができます。こういうことをコックが経験できることで、コックの作りがいにもなりますし、そして料理の腕も上がっていきます。
 
–オープンキッチンはコックさんとお客さんのつながり、交流を促すためのものなのですね?
そうですね、お客さんとコックのつながりを生み出すためも大きな理由です。そして哲学の2つ目にも繋がるのですがオープンキッチンによって全てのプロセスを見せることで、お客さんへの誠実を示しています。ロシアではしばしどんな食材が、どんな場所で作られているか不透明なことがありますが、これは不誠実だと感じました。
私はお客さんに大して誠実でありたいのでオープンにして全て見える形にしました。
 

 
–オープンキッチンを使って料理体験教室もされていますね?
オープンキッチンは、料理体験教室をする上で非常によい環境です。クバルチラ30の料理教室は本格的な厨房器具に囲まれ、プロのコックと触れ合うことができます。そして最後にはプロのコックが提供すコース料理を味わうことができます。このコース料理の中にはロシアならではの魚のマリネ、極東キノコの瓶漬け等もあり、ロシア文化も味わえます。
 

 
–クバルチラ30では広告を一切していませんが、その理由も教えていただけますか?
私自身が広告関連業務に8年間いて、既存の広告費に疑問を感じていました。私としては広告に沢山のお金をかけるのであれば、お店に綺麗な花を飾ったり、お客さんにオマケとして何かプレゼントしたりといったそういうことにお金をかけたほうがいいと思っています。そのようなところにお金をかけることでお客さんに喜んでもらってそして御友達を呼んでもらったり、拡散してもらうほうがよほどよい広告になるかなと思っています。口コミが中心で広がってくれています。それと合わせて、フェイスブックとインスタグラムがあり、そこでお店の情報を告知しています。そうそう、過去10年に渡ってお店似通ってくれるお客さん、ケータリングで長年利用してくれている企業さんも宝ですね。
 

 
–オリガさんは日本のレストランや文化にも関心が高いですね?
2010年に研修のような形で東京に10日間行きました。それはそれは素晴らしい体験でした。六本木、渋谷、代々木などでロシアにはない綺麗な街やお店を見てショッピングしたり、パントマイムを始めとした芸を見たり、レベルの高いサービスのお店で食事したり。日本にはミッシェランガイドに載っているお店が沢山あります。
そこは味のみならずサービスも洗練されたお店が多いです。桜の咲く季節にでもまた日本に行って、そういうお店を訪れて、食事のみならず料理教室でも体験できれば最高ですね。そしていつか日本の調理人にウラジオストクに来てもらってクバルチラ30を使ってもらえたら素敵ですね。
 

 
–クバルチラ30は料理も人気ですが、トイレもユニークでとても快適な空間ですよね?
これも日本の影響があるんですよ。日本のトイレがどこでもとても綺麗なのに感動しました。私もそのように
綺麗で快適なトイレにしたいと思い、今のような形になりました。天井も通常の2倍くらいの高さで、花や絵を置いた洗練された空間にしています。さすがにウォシュレットはありませんが、それ以外は出来る限りの力を注いでいます。あ~また日本行って色々見て体験したいです。
 

帰り際に、男性コックの作ったチョコレートのお菓子を頂きました。そして非常に美味しかったのですが、それ以上に「美味しかったです」と男性コックに言うと「ありがとう、それはよかった」と返してくれました。
ウラジオストクのカフェではコックと言葉を交わすことはまず無いので、非常に新鮮な感動がありました。こんなカフェを運営するオリガさんには是非ウラジオストクのカフェ文化を引っ張っていってもらいたいと思いました。
 
クバルチラ30の店紹介:http://urajio.com/item/0174
クバルチラ30の日本人体験記事:http://travelplanet.jp/projects/vladivostok/cook
クバルチラ30の料理体験教室の紹介:http://urajio.com/item/1806



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