ウラジオストク経済大学には美術館があり、ロシアの芸術作品展示のみならず、日本領事館、鳥取島根県などの芸術イベントも開催される。今年も、書道、日本人形、生け花、写真展が開催された。この美術館でこのようなイベントを一人で切り盛りし、常に場を成功へ導いてくれるのが館長のナジェジュダ・スハレヴァさん(Надежда Сухарева)である。そんなナジェジュダさんにお話を聞いてみた。
—-ナジェジュダさんの生い立ちを教えていただけますか?
沿海州のデリンゴルスクという町で生まれました。大学の時にウラジオストクに出てきて、それ以来ウラジオストクに住んでいます。今の極東連邦大学でロシア語とロシア文学を専攻しました。卒業後、ソーシャルアートという学問の道にすすみました。ソーシャルアートという学問はカンタンに言うと「芸術が社会でどのような役割を果たすか」というのを研究する学問です。そしてその後美術館で勤務するようになりました。
—-現在の経済大学美術館に着任されたのは何年前ですか?
6年前になります。それまでも経済大学の現在の場所に博物館のようなものがあり、主に沿海州の歴史を展示していました。それが6年前に美術館に大幅変更することになり、ここへ私が赴任することとなりました。
—-この美術館で行うイベントは盛況なケースが多いですよね?秘訣みたいなものはあるのですか?
お陰様で好評いただいています。秘訣というようなものはありませんが、イベントを行う側、そこに来られる方の双方が気持ちよくすごせるのは心がけています。
—–日本関連のイベントではさりげなく日本風の音楽をバックで流したりされますが音楽にこだわりがあるのですか?
場の雰囲気を盛り上げるために、自分なりに場に合う音楽を選定しています。私自身は音楽のプロでもありませんし、特に音楽的こだわりをもっているわけでもありません。クラシックからJAZZ,現代的なものまで何でも聞きますよ。
—-この美術館では日本を始めとしたアジアの芸術イベントも頻繁に行われていますよね?
そうですね。私はこの美術館を通じて、ロシアの芸術とアジア諸国の芸術が交流する場であればよいと思っています。アジアの芸術をウラジオストクに紹介し、双方の発展を促すのが私の人生における役目だと思っています。もしかしたら今後、その役目が変わるかもしれませんが、少なくとも今はそう思っていますよ。
当地の領事館職員や日本の芸術関係者にもファンが多いナジェジュダさん。ウラジオストクの芸術にはアジア的躍動感の取り入れられている作品も多いが、そんな作品はナジェジュダさんのようなサポーターがいることで生まれてきたものもある気がした。ここでも芸術面でアジアとロシアの融合を支える人がいる。
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